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私たちは、杉並区の保育園待機児童の保護者の集まりです。安心して子どもを預けることのできる保育園を増やしてほしい…つらい「保活」を放置してほしくない、との思いからこの活動を始めました。特定の政党や団体・思想とは一切関係のない、純粋な保護者の集まりです。
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保育園ふやし隊@杉並のメンバーがロイターの取材を受けた記事が公開されています。
日本語版の記事がないため、簡単な翻訳を掲載させていただきました。
原文記事へのリンクは記事最下部を参照ください。
今年、東京で島田かおるさんは、他の母親たちと一緒に集まって保育園の増設を求めた。その数日後、島田さんは、ある区議のブログを読んでショックを受けた。そのブログは、彼女たちの要求を「図々しい」と非難し、子どもは家庭で育てられるべきだと主張していたのだ。
日本の経済停滞を終わらせ、少子高齢化に悩まされている日本を成長させるためとして打ち出されているのが「アベノミクス」だ。安倍首相は、その一環として、女性パワーの活用を支援するために、保育園の増設を含めた政策を実行することを表明している。
しかし、経済的な必要性にもとづくそうした方向性は、政権内の多くの政治家や財界人たちが抱いている保守的な考え方とは一致しない。彼らの考え方では、女性がいるべきところは家庭のなかであって、職場や工場、あるいは役員会などではないからだ。
「最初、この区議は私たちのことをバカにしているのだと思いました」。島田さんは、安倍首相と同じ自民党の田中ゆうたろう区議のブログでの発言について、こう語る。島田さんは、まだ歩き始めたばかりの男の子をもつ29歳のシステムエンジニアだ。彼女は、4月の職場復帰の約一週間前になってやっと子どもをあずけるところを見つけることができた。「この区議は、現実を全然わかっていない」。島田さんは、若い親たちが保育園についての情報や悩みを交流しあう集まりに参加し、取材に応えて、そう語った。
自民党のなかでそうした保守的な主張が多いという話しは、野党の議員や専門家だけでなく、自民党の議員からも聞こえてくる。上智大学の政治学の三浦まり教授は、つぎのように述べている。「基本的に彼らは、女性たちを、出生率を上げ、社会保障支出を削減し、経済成長を生み出すための道具としてしか見ていないのです。女性の役割が重要なのは、女性がその三つの問題を解決する鍵を握っているからです。ところが、彼らは、保守の中心的なイデオロギーとして伝統的な家族について強い考えをもっています。そのイデオロギーと合理的な解決策とは一致しないのです。だから、政策がいつも一貫性を欠いたものにしかならないのです」。
日本では、女性取締役の比率は全体の1%にとどまり、女性の就業率も先進諸国のなかでは最も低い60%である。女性パワーの活用という安倍首相の方針は、そんななかでは遅きに失するものであるとはいえ、専門家や仕事をもつ女性たちは、首相の方針を歓迎している。待機児童は、公式の統計で全国に2万5千人いるとされており、民間の専門家によればもっと数は多いとされているが、安倍首相は、5年間でこの待機児童を解消するとしている。その計画では、無認可の保育施設に財政的な支援を行なうとともに、民間業者の活動範囲を広げるために規制を緩和するとされている。
安倍首相は、2020年までに社会のあらゆる部分で指導的地位にある女性の割合を30%にまで増やすという目標を掲げ、さらに日本企業にもっと多くの女性を役員に登用することを求めた。「各企業に一人の女性取締役」というのが彼の当面の目標だ。
「とにもかくにも、私の思い至る限り、政権が女性の社会参加について言及したのは初めてのこと。その点では、前進です」。こう語るのは、ゴールドマン・サックスのチーフ・ストラテジストのキャシー松井だ。彼女は、女性の労働参加を男性と同じ80%にまで引き上げることで、日本のGDPを14%上昇させることができると推計する。「確かに、これには反対する動きもあるでしょうが、いずれにしても、今の政権にとって他に選択肢はないでしょう?」と語る。
しかし、安倍首相の政策方針には、もう一つのメッセージが隠されており、彼が掲げる目標とは逆の効果をもたらすものだと批判する人たちもいる。彼らが問題視するのは、安倍首相が企業にたいして育休の上限を一年半から三年にまで延ばすことを求めていることや、自民党が幼児教育の無償化をうたっていることだ。「安倍政権が言っていることは、子どもが三歳になるまで家庭にいて、それ以降は幼稚園に入れて昼から面倒をみなさい、ということです。」。こう語るのは、元テレビアナウンサーで十代の双子をもつ野党民主党の蓮ホウ議員だ。「フルタイムで働くようなことは考えてはいけない、というのがメッセージなのです」と。
育休三年という見通しを歓迎する女性もいるが、多くの女性は、生活のために共稼ぎの収入が必要であることや三年間の空白期間がキャリアに与えるダメージを考えると、そんな考えは現実的ではないと感じている。現在、育休中は、従来の収入の半分に相当する額を支給されることになっている。「現実問題としては、三年間というのは難しいです。私は一年半職場を離れていましたが、その空白期間のために、職場復帰したときに新入社員かのように感じさせられることになりました。」システムエンジニアの島田さんはこう語っている。
管理職の三分の一が女性だというベネッセでは、1990年に育休を三年にする制度を導入したが、当初の意図とは逆の効果をもたらしたことが明らかになっている。仕事に復帰する女性が減ってしまったのだ。「復帰した人もいるのですが、仕事に追いつくのが本当に難しいそうです」。ベネッセ広報部の鬼沢裕子さんは、こう語った。その五年後、ベネッセは、育休制度を一年に短縮し、それ以降は仕事に復帰する女性が増えるようになった。
安倍首相の女性労働の促進のためには、企業の態度も変わる必要がある。大企業のなかには、収益強化のための一つの策として多様な人材活用策をまじめに考える企業もあるが、経済界のロビー団体である経団連は、上場企業のジェンダー統計を公表させる提案を拒否しつづけている。
「経団連は強く反対しています。おそらくほとんど女性役員がいないことが明らかになってしまうからではないかと思います」。元防衛大臣で自民党の広報部門トップの小池ゆり子議員は、取材に応えてこう述べた。彼女は、自民党の多くの議員よりもより大胆な政策を主張している。
国の借金がすでにGDP五百兆円の二倍に達するなかでは、保育園を増設し女性の雇用参加を進めていくためのプログラムに財政資金を調達することは難しいかもしれない。東京に近い横浜市では、三年前には、待機児童が全国で最も多かったが、先月、規制緩和と支出増額によって待機児童ゼロを達成したことが宣言された。安倍首相は、横浜を他の自治体がまねるべきモデルケースとして推奨している。しかし、中央政府や他の都市の自治体は、同じような支出の増額をまねることには二の足を踏むかもしれない。
安倍首相の諮問会議のメンバーでもあるNPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表は、「これはある種のシルバー・デモクラシー(高齢者中心の民主主義)のジレンマです」と語る。「高齢者向けの支出を減らして、未来に投資すべきです。ところが、若い世代の投票率は高齢者の半分でしかないのです」。
自民党の小池議員によれば、多くの政治家が問題を基本的に理解できていないことが、改革の大きな障害になっているという。女性関連の政策についての自民党の会議でのやり取りを思い起こしながら、彼女は悲しそうにこう語った。「私は、ダイバーシティ(多様性)という考え方について説明しました。そうすると、一人の男性議員が、それはどこのことか、と訪ねてきたのです。彼は、台場シティのことを話していると思ったのです」。
元記事:"No, we can’t"–Japan’s conservative values collide with plan to mobilise women for economy - RTRS
20-Jun-2013 06:00