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山崎一彦さんのご回答-杉並区長選 待機児童対策・子育て支援への公開アンケート
杉並区長候補の山崎 一彦さんより、公開アンケートの回答が届きました。質問と回答は以下のとおりです。
【質問内容】
下記の質問につきましては、2015年4月施行予定の子ども・子育て支援新制度下という前提で回答頂けるよう、お願いいたします。
1. 現在、認可保育所への入所が育児休業後の保護者の児童ですら入園が厳しく、出産後仕事に就きたい保護者の児童が入園することは非常に困難で、申込みすらしていない人も多くいます。このような就業ニーズにどこまで対応したいとお考えでしょうか。
⇒ 女性の社会進出を応援するために、潜在的な保育ニーズにも対応する保育施設整備(認可保育所の増設)に取り組みます。
【詳細】
日本社会において、女性の社会進出は積極的に促進されるべきであり、出産後も就業を望む全ての保護者の保育ニーズに全面的に対応することが必要です。
国の新制度に向け、各自治体では「保育の見込み量」の算定作業が始められています。現在、作業は中途の段階ですが、現状の「家庭類型の分類」において、区が、就労時間を月48時間以上の就労希望者をカウントとしていることなどは、一定の評価ができます(国の指針では48~64時間以下としている)。しかし、今後、保育需要を正確に反映した算定が行なわれるのか、懸念しています。区の「見込み量」の補正によれば、3号認定に関して「現在、産休・育休を取得している保護者」を除外する検討が進められています。しかし、現状では実数を少なく見積もることにもなりかねません。
区が実施したニーズ調査では「希望より早く育児休業から復帰した理由(母親)問27-5」における回答を見ても、「保育所に入所するため 293人」に対し、「それ以外の理由(経済的な理由、人事異動や業務の節目等々) 202人」となっており、育児休業期間中であったとしても就業ニーズは高いことが示されています。産休・育休取得中の保護者を算定から除外すれば、保育ニーズが正確に反映されない可能性があります。
また、杉並区独自の将来人口推計(現在、見直し中)では、当面、就学前児童数が減少する見込みはありません。この間の保育施策では、保育需要を低く見積もってきたために、保育定員が不足し、待機児童が発生する事態となっています。保育需要は社会状況の変化により常に変化しており、今後、保育需要はますます高まることが予測されます。少子高齢化が叫ばれる社会だからこそ、少子化に歯止めをかけるためにも、保育施設は抜本的に増やすことが求められます。
保護者の就業ニーズ、保育ニーズを充足するため、保育施設整備は保育需要予測を上回る施設整備がはかられるべきです。さらに大きな問題として付け加えるならば、保育の見込み量を何によって供給するか?ではないでしょうか。国は、幼保連携認定子ども園や地域型保育を推奨していますが、これら施設は、保護者と事業者との直接契約制度であり、自治体の保育実施責任が及ばないことになります。見込み量への供給は、認可保育所整備を基本とし、保育実施責任を明確にすべきです。
2. 様々な保育施設がありますが、待機児童対策の中心施策・施設は何を想定してらっしゃいますか。
⇒ 認可保育所の抜本的増設により、待機児童を解消します。
【詳細】
日本の認可保育所の基準は諸外国と比較しても最低クラスですが、子どもの命と安全、豊かな発達のためには、必要最低限の基準となっています。多くの保護者は厳しい保活等を通じて実際の現場を見学し、認可保育所と認可外保育所の「保育の質」の差を実感していることではないでしょうか?
多くの保護者は認可保育所への入園を求めており、認可保育所へのニーズは極めて高いのが現状です。しかし、今年度の杉並区の認可保育所への入園申込み児童の内、入園出来なかった児童は1800名を超えています。
本来、施設や環境の違いにより、児童の成長や発達に格差が生じることはあってはならないことです。例えば、小中学校の義務教育では、全ての児童に教育環境が保障されています。就学前児童においても同様の環境が整備されるべきです。児童福祉法第1条2項では「すべての児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない」とあります。
法の精神に基づき「児童の最善の利益を」を保障することが重要です。施設や環境により、児童の成長と発達に格差が生じることのないようにするためにも、保育施設整備の中心施策は認可保育所の抜本的増設とします。
3. 保育室や保育ママ、スマ保など小規模保育施設に通っている児童の保護者は、3歳児以降の預け先が確約されてないことに不安を抱いています。他市区町村では、幼稚園と連携するなどの動きがみられますが、そのような児童に対する3歳児以降の受入れについて、具体案はありますか。
⇒ 0~2歳児対応の保育施設を増設してきた結果、3歳児以降の受け入れ枠の確保は急務の課題です。行政の責任で取り組みを強めます。
・一定規模以上の区立保育室は認可保育所に移行し、3歳児以降の受け入れ枠を確保します。認証保育所も同様に認可保育所に移行できるよう支援します。
・保育ママ、小規模保育所施設への対応は、近隣に認可保育所を整備し、3歳児以降の受け入れ枠を確保します。用地確保等の条件が困難な際は、認可保育所と連携した小規模保育事業A型(分園型)を整備し、受け入れ枠を確保します。
・保育ママ、小規模保育施設等を利用している児童に対して、入園期間中から3歳児以降の保育ニーズ調査を実施し、受け入れ枠を検討。近隣の認可保育所との連携を強めます。
・幼稚園との連携は、児童や保護者のライフスタイルに合わせ、柔軟に検討します。
【詳細】
そもそも、乳児対応の小規模保育施設(0歳~2歳)を整備した際、3歳児以降の受け入れ枠不足は必ず発生することになります。この間、認証保育所などの低年齢向けの認可外保育施設での定員確保、区保育室の暫定設置などを重点的に行なってきたために、3歳児以降の受け入れ枠の確保が大きな課題となっています。
今後は全年齢に対応した認可保育所の整備が基本となるべきであり、全年齢対応の認可保育所を整備することにより、3歳児以降の受け皿にもなり得ると考えます。
現状、杉並区の検討では、3歳児以降の受け入れ枠確保のために幼稚園との連携を検討しています。幼稚園との連携を否定するものではありませんが、幼稚園と保育園は歴史的な設立経緯も異なり、児童や保護者のライフスタイル・生活環境も異なる点が多くあります。例えば、区が運営する区立子供園(区立幼稚園から移行)などでは、短時間保育と長時間保育の保育環境の違いにより様々なトラブルが発生しています。長時間保育を利用する児童の午睡が保障されず、生活リズムが崩れる等々、保護者からの要望も寄せられています。
施設の特徴が異なる幼稚園に対し、全ての3歳児以降の受け入れ枠としての役割を求めることは困難な状況であると考えます。幼稚園との連携は、個々の幼稚園の条件に合わせて検討します。
4. 他市区町村では、民間所有の土地・建物を借り上げたり、大学所有の土地に保育施設を新設したりするなどの動きがみられますが、保育施設増設のための用地確保について具体案はございますか。
⇒ 国・都・区の公有地を活用し、保育施設整備に取り組みます。民間事業者の大規模マンション等の設置の際に、保育施設整備のための協議を強化します。持ち込み型公募方式についても、土地確保は行政が責任を負うようにします。
【詳細】
現時点での検討段階ですが、区内の公有地活用は、依然として大きな可能性があると考えます。
国有地については、廃止決定された国家公務員宿舎跡地(当初20カ所)を活用します。国は2016年度を目途に順次売却を行うという行程表を示しており、区内の用地についても、今後、順次、区への取得等の照会がなされる予定です。国も国有地活用に積極的に取り組み始めているところでもあり、用地照会の期限を前倒しするよう要請します。
跡地の中でも、大規模用地として「高円寺住宅 約6437㎡」は、高円寺地域における保育施設が不足しているため、大規模認可保育所整備用地として取得します。「杉並高井戸寮 約2196㎡」「上高井戸住宅 約3841㎡」についても浜田山周辺の保育施設偏在の解消のために取得します。
また、今までセキュリティ上公開されていない宿舎についても、「内閣府(警察庁)宿舎 約1033㎡」「防衛省宿舎 約2550㎡・265㎡」の用地も活用を検討します。
また、国家公務員宿舎跡地以外にも物納等の理由により、毎年度3件~5件程度の国有地の照会が行なわれているようです。一定規模以上の用地は保育施設整備用地として活用します。
都有地については、「都営成宗三丁目第三住宅の跡地 約1756㎡」の境界確定を早急に済ませるよう要請、保育施設としての活用を検討します。
また、「東京都交通局杉並車庫、通称都バス車庫都有地 1万㎡」については、都との協議を進め、取得を検討します。
都水道局所管の都有地「宮前5丁目用地」は、建物部分が残っており、古い建物でもあるため、そのままの状態での活用は困難です。早急に用地を整備するよう都に要請し、取得を検討します。
また、都営住宅等の改築の際、一階部分に保育施設を整備するよう都と協議を行ないます。
区有地に関しては、旧若杉小学校跡地に早急に大規模な認可保育所を整備し、荻窪地域の保育施設定員増を実現します(既存、区立保育室を移行することで整備)。旧永福南小跡地には特養ホーム整備が検討されていますが、広大な用地でもあり、認可保育所の併設を検討します。その他、区有地においても活用を検討します。
なお、区が進める区立施設再編整備計画で発生した用地の活用は区民サービス同士を天秤にかけ競合させるものです。各分野のニーズを対立させることになるため、区立施設再編整備計画により用地を生み出す手法には反対です。
現在、大規模マンション等の設置の際、事業者と区との協議義務が条例化されていますが、協議不調が相次いでいるとのことです。横浜市などで取り組まれている子育て支援施設を整備した事業者への各種補助の拡充策を検討します。また、同市では、既存大規模建造物に対しても、対象を拡大し協議を行なうことで、効果を発揮しているようです。杉並区でも同様の取り組みを強化します。大学構内や公共施設への保育施設整備を検討し、関係所管と協議を行ないます。
区が進める持ち込み型公募方式は、土地・物件の確保は全て民間任せになるため、運営上のトラブルが相次いでおり、計画頓挫などの事態も発生しています。また、土地確保の制約により、営利企業のみの参入が促進されています。現状、営利企業に対しては、運営上の指導監督が弱く、保育士配置を巡るトラブル等が発生しています。こうした事態が続くことにより「保育の質」を著しく低下させることも懸念されるため、営利企業への指導監督を強化します。
土地の確保は行政が責任を持ち、定期借地権などの手法で賃料を引き下げ、非営利の社会福祉法人の参入を促すと共に、公営の保育所整備にも取り組みます。
5. 新制度への移行をどのように進める予定でしょうか。また、現在、区が独自に設置している保育室やグループ保育室は、どのような対応をお考えですか。新制度の対象として、位置づけられるのでしょうか。
⇒ 新制度への移行は慎重に行ない、現行制度との変更点を極力減らします。どの施設に入っても現行保育所基準以上の条件を保障します。区独自に設置している保育施設は認可保育所に移行します。
【詳細】
新制度は多くの保護者や保育関係者の不安の声が広がるなか、実施が強行されようとしています。この間、内閣府の「子ども・子育て会議」で制度や事業内容、基準等の検討作業がすすめられていますが、様々な面で現行基準より下回ることが懸念されています。
制度の複雑さや国の補助のあり方が不明確、予算不足、安上がり保育の促進、国の作業の遅れ等々、課題が山積している状態です。現状では、自治体の準備や住民周知にも悪影響を与えかねません。新制度そのものには反対の立場ではありますが、新制度への移行の際は、現行制度との変更点を極力減らし、現場や保護者への負担を少なくするよう配慮します。
区が独自に設置している保育室は、当初、認可基準に準ずるものとし保育士配置も含め認可保育所と同様の基準を示してきました(その後、認証基準であったことが明らかになる)。その経緯も踏まえて、新制度下でも、区保育室は認可保育所へ移行します。グループ保育室も同様に認可保育所(小規模保育施設の場合はA型・分園型なども含め)への移行を検討します。
6. 新制度では、保育施設別に保育の実施主体が異なることや、基準が設けられることになり、保育環境や保育条件に違いが生じる可能性があります。このような不安に対して、杉並区として独自の支援をするお考えがございますか。
⇒ 新制度下、現行基準を下回る基準については、全ての保育施設について、区独自支援を行ないます。自治体独自の支援策を拡充し、各保育施設への保育士配置などは上乗せを行ないます。
【詳細】
新制度は様々な問題がありますが、自治体の裁量により、独自支援策を拡充することも可能です。区独自に各種基準を引き上げます。新制度の家庭的保育事業、小規模保育事業は現行の保育の質を担保する設置基準とし、保育士資格を伴う基準に引き上げます。
保育士の人材確保は大きな課題です。人員配置や経験年数が給与にカウントされるには公定価格がそれぞれ積み上げ方式でなければならないと考えます。現時点では、国の動向を注視する必要がありますが、保育士配置の拡充については、事業者の参入移行にも影響が出るため、保育士加配の際、自治体独自の補助を手厚く行ないます。
回答2で述べてきた通り、児童の成長や発達に格差が生じることはあってはならないことです。施設や環境の格差が生じないよう配慮します。
7. 区政として取り組むべき課題の中で、待機児童対策を含む子育て支援の位置づけを教えてください。お考えになっている支援策などがございますか。
⇒ 少子高齢化の社会の中で、待機児童対策は喫緊の課題です。安心して子どもを産み育てられる社会をつくることは自治体の責務であり、保育施設整備は最重要課題として取り組む必要があります。
【詳細】
保育待機児童問題は、この間も大きな課題となっていました。しかし、政治的な扱いは低く、行政の取り組みも極めて弱かったのが現状です。しかし、昨年の保育待機児童保護者の集団異議申し立てなどの行動により、世論が喚起され、重要な争点の一つに引き上げられました。
こうした状況を力に、認可保育所を抜本的に増設し、安心して子どもを産み育てられる杉並区を実現します。なお、杉並区が進める区立施設再編整備計画は杉並区が誇る児童館などを乱暴に削減する計画です。杉並区の児童館は地域の子育て支援の事務局として重要な役割を果たしてきました。区立施設再編整備計画は中止し、児童館は維持・発展させ、子育て支援に手厚い杉並区政を実現します。
人口減少が懸念される昨今、多くの子育て世代が“杉並区に魅力を感じ、杉並区で生活をしたい”と望める杉並区政を目指します。
質問状の詳細についてはこちらの記事をごらんください
http://fuyashitai.blog.shinobi.jp/Date/20140618/
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http://fuyashitai.blog.shinobi.jp/02_survey/20140624enquete_02山崎一彦さんのご回答-杉並区長選 待機児童対策・子育て支援への公開アンケート