忍者ブログ

保育園ふやし隊@杉並 公式ブログ

私たちは、杉並区の保育園待機児童の保護者の集まりです。安心して子どもを預けることのできる保育園を増やしてほしい…つらい「保活」を放置してほしくない、との思いからこの活動を始めました。特定の政党や団体・思想とは一切関係のない、純粋な保護者の集まりです。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2/5(金)プレスリリースを発表しました

保育園ふやし隊@杉並では、「杉並の待機児童は再び増加、「3歳の壁」への不安も」と題して、本日プレスリリースを発表しました。

プレスリリースPDF
3歳の壁アンケート結果PDF




杉並の待機児童は再び増加、「3歳の壁」への不安も

2016年4月入園に対する待機児童数は約2,000人!
保育施設は増加したものの、3歳以降の預け先が確保されていない現実
独自アンケートにより「3歳の壁」への不安が浮き彫りに

杉並の保育園待機児童問題に取り組む保護者の集まり「保育園ふやし隊@杉並」では、現在、または過去に子どもを0~2歳までを対象にした施設へ預けており、引き続き3歳以降も就業のために子どもを預ける必要のある保護者に対し、「3歳の壁」に関するアンケートを行いました。
先日、杉並区より2016年4月入園の認可保育所申込み状況が発表されましたが、今年も待機児童数は減少せず、全年齢を合わせて約2,000人の子どもが認可保育所への入園が叶わない状況です。これは昨年よりもむしろ増加しており、全年齢(0~5歳)での入園率は51.1%、前年に比べ5%以上の悪化となりました(表1)。※図表・出典等はPDFで確認してください。

杉並区の就学前児童人口、保育サービス利用児童数、保育需要数等の過去5年の推移をみてみると、いずれも漸増しています。環境の良さや利便性などから、共働きの子育て世代の流入が続き、保育需要が増加したことが多くの待機児童を生むこととなっていると推察されますが、これに対する保育施設は不足しています。

特に0-2歳の保育需要が大きいことは周知のとおりであり、杉並区では、平成25年に発表された“緊急対策プラン”によって0~2歳までの児童を多く保育する小規模保育施設・保育室・認証保育施設の増設にも力を入れてきました。3歳からは幼稚園またはこども園という預け先の選択肢の追加を想定しての施策であったと考えられ、昨年までに一定の成果を上げています。しかし、現実は3歳以降も継続して認可保育所での保育を望む保護者が大多数でした。この施策と現実の乖離によって、3歳からの行き場を失う児童が出る可能性があります。保育園ふやし隊@杉並では、この「3歳の壁」問題は、今後の待機児童問題や、ひいては少子化問題にも大きな影響を与えるものと考え、その実態を調査するに至りました。


【3歳の壁アンケート 主要結果】

■保育園増加の実感について(図1)
 少し増えているとは感じているが、25%は全く増えていないと回答しており、やはり足りているとはいえない状況を実感している保護者が多い。これは、2016年4月の待機児童が2,000人近くにのぼる現状とも一致しているといえる。

■3歳以前の預け先について(図2)
 認証保育所や区立保育室は、認可に預けられない0~2歳児の受け皿としての役割を果たしていることがわかる。
■3歳以降の預け先の希望(図3)
 84%の保護者が認可保育所を希望している。幼稚園希望とした4名のうち3名は本来幼稚園を希望している訳ではなく、「保育園に入園できないと思われるため」 「早く見通しを立てたかったため」という消極的理由での選択であった。それら3件を考慮すると約9割が認可保育所を希望しているといえる。

■「3歳の壁」の現実は・・・
 その他の回答をみると、0-2歳でやっと預け先を確保したのもつかの間、3歳以降の預け先を探すためにまた厳しい“保活”を強いられる保護者の苦悩や不安が浮き彫りとなった。

 ・認可保育園を希望する理由
「幼稚園の預かり時間で仕事を継続することが難しいため」が最多の理由となった。その他に、園庭や設備の充実を挙げる回答もあった。
 ・認可保育園へ入れなかった場合の仕事への影響、収入への影響
「仕事は続けられるが、延長がきかないので時短のまま働かざるを得ない」が約3割に上った。また、「今の仕事はやめざるを得ず、再就職も厳しい」にも2割が当てはまり、主に退職するのが母親であるという現状を鑑みると、女性のキャリア形成において大きな影響を及ぼすことがうかがえる。収入への影響も少なくなく半数以上が「収入が下がる」と回答した。
 ・働きながらの保活の厳しさ
一旦子どもを預けて復帰した場合、3歳での転園のための保活は働きながら行うこととなる。主に平日に行われる見学や説明会への参加も思うようにならない。認可以外の施設では、3歳以上の児童数が激減することが多いため、年齢に応じた団体行動などを学べないなどの不安もあり、認可園への入園希望は切実である。
 ・子ども自身への負担
転園によるストレスや、認可への転園ができず小規模施設等での保育が継続する場合は、年齢に応じた運動量の確保が困難になることも予想され、健全な発育への影響の可能性も否定できない。

【まとめ】
 待機児童の解消に向けて保育所の増設に取り組んできた杉並区ですが、0~2歳児対象の認可保育所や小規模保育、区独自施策の保育室、認証保育所等を増設する一方、3−5歳児対象の園も同時に増やしてこなかったためか、3歳でも半数が入れないなど継続利用が保障されておらず、小規模保育においても連携施設が確保されていません。このため、一旦子どもを預けて職場に復帰した保護者が、再度厳しい“保活”を行わなければなりません。
 また、加点方法や育休取得時期の扱いも大きな問題となっています。現在の規定では、第1子が0~2歳児対象園に通園している場合、第2子の出産時期によっては、育休の切り上げや取得がほぼできないなどの不利な事態が生じる可能性があり、これが第2子以降の出産を妨げる一因となっています。「産みたくても産めない…」という悲痛な声が上がる状況は、さらなる少子化の原因となると考えられます。

【保育園ふやし隊@杉並の今後の活動について】
保育園ふやし隊@杉並は、設立当初より保活当事者の集まりとして声を上げることを主旨としています。昨年、待機児童がいったん減少に転じたことにより保活当事者の参加者が減りました。その役割を終えたのであれば歓迎すべきこととして解散することも検討していましたが、本年、待機児童数が再び増加したため、現状に危機感を抱く方たちが私たちの活動に関心を寄せてくださるようになりました。メーリングリストへの登録希望者も1次の募集結果後に急増し、Facebookやブログの閲覧数も同じく増えています。
このため、本年度も、子どもを持つことを希望する人が子どもを安心して産み育てることができるよう、「3歳の壁」対応も含み、全年齢の待機児童の解消に向けて、杉並区に対し異議申立のとりまとめや要望書の提出などの地元に根差した活動を行ってまいります。


【企画・運営】
保育園ふやし隊@杉並
Twitter https://twitter.com/fuyashitai_sugi
Blog http://fuyashitai.blog.shinobi.jp/
Facebook https://www.facebook.com/fuyashitai.suginami


PR